親を許せない人が親を許し、自分を納得させる方法

私は35歳ですが、つい最近まで親を許す事が出来ませんでした。
知人宅や親戚宅に行き、昔話になると必ず親にどれだけ理不尽な事をされ、貧乏な生活を強いられたかを語り、親がどれだけ悪人かを伝える事が楽しみになっていました。

親の悪口を言い、親は自己管理の出来てない恥ずかしい奴なんだと周りに吹聴する事が心地よくてたまりませんでした。

どれだけ自分が苦しい思いを幼少時代にしてきたかを周りに知ってほしく、そしてそんな思いを私にさせてきた自分の親が知人や親族に「良い人達」なんて思われるのが許せませんでした。

ただ、私はいくら親の悪口を周りに言ってストレス発散しても、自分が満たされる事はありませんでした。

どれだけ当時嫌な思いをしたかを直接親に言って謝らせた事もあります。これで自分は救われると思ってましたが、やはり根本的な解決にはなっていませんでした。

なぜかというと自分は被害者なんだという被害者意識が抜けてないからです。

例えば、お隣の国韓国はいつも被害者面して、日本を糾弾してきますよね。
(私は人種差別するつもりはないです。韓国人でも日本を心から好きな人はいっぱいいます。)

で、これは韓国という国が「我々は被害者なんだ。だから謝罪しろ」と言って、日本からお金をゆすっているわけです。

今まで日本政府は実際韓国政府に沢山のお金を払ってきてますが、それでも「まだ謝罪が足りない、反省してない」と言って金をゆすってくるわけです。

で、我々親が許せない人間というのもこれと同じ事をやってるわけです。

ようは被害者づらしてるんです。

私は被害者で、そのせいで人生をメチャクチャにされた。性格が歪んでしまった。親に感謝できる普通の人達から「お前はおかしい」と変人扱いされた。私だって感謝できるものならしたいが、出来ないから困ってるのにと。

で、なぜ被害者と感じてしまうかというと、自分で選択してこなかったからです。

例えば、私の家庭はとても貧乏でした。布団3枚を4人でシェアして寝るような生活でした。
周りの友達はみんな自分の部屋があって、カッコイイプラモデルが沢山棚に飾ってあったり、自分専用のテレビとテレビゲームがあったりしたので、自分はなんて不幸なんだろうと思いました。

でも、その貧しい家庭にいつもいる事を選択したのは自分です。

本当に嫌だったのなら、出て行けばよかったのです。出てって祖父母の家や親戚の家に行って、事情を話して助けてもらったり、覚悟を決めて親と徹底的に戦えばよかったのです。

でも私は親に怒られるのが怖くて何一つ行動してきませんでした。その辛い世界に仕方なく居座りました。

でも本当だったら出来たはずなんです。そんなに憎い親なら逃げ出せば良かったのです。学校の帰りに家に帰らずに、そのままどこまでも遠くまで歩いて逃げ出せばよかったのです。ホームレスにでもなる覚悟で、死ぬ覚悟で家出すれば良かったのです。

でもやりませんでした。なんだかんだ言って居場所とご飯を与えてくれる家に「帰りたくないなぁ」と思いながらも帰ったのは自分なんです。その「親の元に帰る。親に従う」という選択をしたのは自分なのです。

自らの意思でその辛い生活に甘んじる事を選んだのに「親はなんにも買ってくれなかった。理不尽に私に当ってきた」と親を悪者にしているのです。自分は被害者なんだと言っているのです。

被害者づらするのは簡単です。でもカッコ悪いと思いませんか。韓国政府が日本にやってる事と同じですから。

もちろん、あなたに実際ひどい事をしてきた親をあなたが今後養ったり助けたりしたくないのであればする必要はないです。別に親に感謝する必要はないと私も思ってます。

ただ許す事は出来るのです。確かに自分の親の子育ての仕方や家族計画は失敗だったのでしょう。でもそのクソみたいな家庭に居続ける事を選んだのも自分なのです。

怒鳴られようが、殴られようが、自分の権利を守るために、死ぬ気で親と戦い、死ぬ気でその家から何度でも逃げ出せばよかったのです。

でも私は何もアクションせず、ただ親の言いなりに過ごし、聞き分けの良い子を演じ、そのクソみたいと感じる親の家に居座り続けました。

そしてなんだかんだ言ってしっかり大人になるまで養ってもらったくせに「あの頃は辛かった、ひどい生活を強いられた。理不尽に従わされた。私は被害者なんだ」と被害者づらしていたのです。

だから、被害者づらをやめれば親を許せるようになります。

あ、自分も何もしてこなかったんだなと。なんだかんだ言ってご飯を私に提供してくれたし、ファミレスに連れてってもらって、お子様ランチやパフェをごちそうしてくれたし、遊園地にだって連れていってもらったし、おもちゃだって買ってもらったし。。そう、あなたの満足行くほどのサービスを親は提供してはくれなかったかもしれないですが、被害ばかりじゃなかったはずなんです。

というわけで、自分もその家庭に居座った張本人であるという事を自覚していくと、だんだん昔の恨みつらみなんてどうでもよくなってきます。

これからは、親の悪口をやめて、ポジティブな言葉を自分にかけながら生きていきましょう。

「昔は軍隊のような家庭で育ったけど、そんな生活を乗り切った私すげーー!」っていう感じで。

そうすると、心が軽くなります。ずーーんと心の中に増殖していたダークサイドがプシューっと消えていくはずです。

全ての事は自分が選択してるんだという事に気付いてください。そこに気付いた時、あなたは親を憎む苦しみから開放されて、心から幸せに生きていけるはずです。

(文/道長 灯)