「ザ・マネーゲーム」から脱出する法(ロバート・シャインフェルド著、本田健訳)を読んでみた。
この本はマネーゲームからの脱出と謳っているが、お金持ちになる方法ではなく、
悟りを開いてなんでも幸せに感じられるようになっちゃいましょうよ的な話だった(と私は解釈)。
本の内容的にはまず「怖い」という感覚がした。読んでいて怖さを感じた。
この本は、
・オポノポノ
・潜在意識のさらに奥の存在
・5次元世界
・宗教本や霊界本でいう神様
そういうのの本で詳しく語られてないブラックボックス部分を語った本という感じ。
オポノポノでは「ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛してます」という4つの言葉を常に使うが、なんでこの言葉を使うと、5次元世界の神様的な存在からインスピレーションを受け取る事が出来るのかという部分がどの本やセミナー動画でもあまり詳しく解説されていない。「そこはブラックボックスだから知らなくて良い」的な感じで終わってしまってる。
そのブラックボックスな部分に、この「ザ・マネーゲーム」から脱出する法では踏み込んで書いてる感じである。
鋼の錬金術士でいえば、なんで錬成陣を書けば錬金術が使えるのか?その力の源はなんなのか?真理の扉の向こう側はなんなのかと言う部分を説明してるような本だ。
エド達が真理やホムンクルスがなんなのか理解する、賢者の石の材料が人間だと知る。この怖さに近い怖さをこの本を読んでると感じる。そのくらい触れてはいけない部分に触れてしまってる本という事だ。
この本に書かれたプロセスで幸せになれるのか?
私の場合、この本を手に取ったのは最近幸せを感じにくくなっていたからだ。この本がきっと幸せとはなにかを教えてくれると思ったからだ。
私の場合、起業がそれなりにうまくいき、海外に長期滞在したりして自由に生活しているし、妻もいるので、寂しいわけではない。正直不満はないのだが、この10年掲げていた目標を達成してしまってから、心にポカンと穴が開いた感じになってしまい、次の目標が思い浮かばずに困っていた。目標を達成して幸せの絶頂にいるはずなのだが、逆に目標を失ってただの暇人(廃人)になりそうで、生きてる意味がなくなってしまいそうで気分は滅入っていた。
ただ、私は「ザ・マネーゲーム」から脱出する法で書かれている「プロセス」を今後やっていこうとは思わない。
どうやらプロセスはハガレンでいう人体錬成、つまり禁忌を犯す事に近いと感じたからだ。
鋼の錬金術師では、人体錬成という死んだ人間を錬金術で生き返らせる術を使うと、自分の体の一部(腕、足、臓器など)を対価として持ってかれてしまう上に、結局死んだ人間は生き返らない。しかし代わりに真理を手に入れ、手のひらを合わすだけで錬金術が自在に使えるようになる。
私はこの本の「プロセス」という技が、それに近いと感じた。
というのも本書にも書かれているが、プロセスはこの世界をマトリックスのネオのように自在に生きれる力が手に入る代わりに、どうもイヤな事も引き寄せてしまうようだからだ。
絶望的な事を沢山経験しつつ、それをプロセスというプラス思考で乗り切ってくうちに、悟りが開けて、なんにも怖くなくなるよ。
この本が言いたい事はこういう事だと感じた。
確かに、人生で皆が目指すのは「豊かになる事」だ。もっと大きな家に住みたい。もっとおいしいものを食べたい。もっと豪華が暮らしがしたい。
そういう思いを実現するために目標を立てて、資産を増やしていく。これが人生ゲームだ。
しかし、いざその目標を達成してしまったり、達成していなくても資産増やしゲームの途中で、だんだん幸せとはなんなのかが分からなくなってくる。
一体幸せとはなんなのか?自分って生きてる意味あるのか?
こういう感覚に陥ってくる。いくら手に入れても、周りの方が幸せに見えてくる。
で、そこから脱出する方法が、この本には書かれているんだけど、
結局「悟れよ」って事なんだと思った。
この本に書かれた事を実行するというのは、釈迦のように裕福な生まれだったけど、様々な苦行をポジティブに乗り切る修行をするのと同じだと感じた。
それが幸せだろうか?私はまだその域に達したいとは思わない。
この本の怖さ
この本では、人生とは「人間ゲーム」だとしている。我々はマトリックスの住人で、しかもそのマトリックスを作ったアーキテクチャも自分であると。
自分が作ったテレビゲームの中に自分が入って遊んでるのだと。
HUNTER X HUNTERでいえば、ジン本人がグリードアイランドをプレイしてるような状態。
自分で最高のゲームを作ったけど、ゲームの構造をすでに知ってるから自分でプレイしても面白くないわけ(一度全クリしたゲームをまたやっても面白さは半減するのと同じ)。だから作ってる時の記憶を消して、そのゲームを初めてやるプレイヤーとして人間ゲームを楽しんでるのが、今の自分であると。
でもその人間ゲームに疲れてきた時、この本を読めば、ゲーム製作者としての記憶が徐々に甦ってきて、この世界で裏ワザ使い放題になりますよ、上上下下左右左右BAって押すと、最強の武装に勝手になりますよと。
ただ私は、この作者の生活を聞いて、どうも幸せそうだなとは感じなかった。
むしろ禁忌を犯して祟りに触れちゃってるような感じがした。
降霊できるようになったけど、たまに手に負えないのを降霊しちゃって、大変な事になっちゃうみたいな。ロバート・シャインフェルド氏のエピソードを見るとそう感じる。
私はだから、この本で幸せが掴めるとはどうも思えなかった。むしろ怖いなと思った。
ただ、今まで読んだ本の復習には多いになった。
多くの法則本や成功本、さらにはスピリチュアルや霊界本や宗教的な教えでも共通している
・5次元世界にある力(神様)から力を借りる
・実はすでに自分は全て持っている
と言った事のブラックボックス部分がこの本で分かったのは、とても良かった。
・オポノポノがなんであの言葉を唱える事で全て解決するとしてるのか?
・存在給がなんで入ってくるのか?
・なんで引き寄せの法則が起こるのか?
この「なんで」の部分が解明した感じだった。なんでそれをやるのかの部分がわかると、もっと心を込めて納得してそれが出来るわけで、そういう意味では多いに役に立った。
「感謝」だけは実行し続けるべき
私はこの本に書かれていた「プロセス」は実行していかない事にした。私はまだ「悟り」を開くほど人生を楽しんじゃいない。この本で言う第一段階を楽しむ方向でまだ良いと感じたし、むしろプロセスでイヤな事を自ら引き寄せるなんて冗談じゃないと思った。
最近私は欲しいモノは結構引き寄せられるようになってきた。なんかツイてるな、ラッキーだなという事が多い。すでに引き寄せパワーが付いてきてるのに、プロセスはそれを全部壊してしまう気がして怖い。
ただ、この本でも「感謝」の大切さは説いている。
これはどの本でも言われてる事で、オポノポノでも「ありがとう」と言うだけで効果があると言ってるのもうなずける。
1つ1つの事象に感謝する事で、物事はもっともっと必然的にうまくいくし、引き寄せられていくと。
この本を読んで、感謝の大事さを思い出した途端、確かにぽかっと抜けていた幸福感は甦ってきた。自分は今好きな物を毎日食べられるし、美しい妻がいて、したい時にセックスも出来て、やりたい事を好きなだけやっていられる。とっても幸せじゃないかと。15年前までの自分が絶望的に欲してた生活を手に入れてるのに、感謝しないなんて何を考えているんだと。
感謝=幸福なんだとこの本で知る事ができた。
この本は禁書かもしれない
この本は書いてある事が、とても分かりづらくて、読みづらい本だ。他の本に比べて言葉遣いが教科書的で「何言ってるんだ?意味が分からん(汗)」と途中何度も感じた。
書いてる本人や訳してる本田さん本人もそれは感じていたようで、その代わり同じような事が繰り返し書かれていて、繰り返すうちに分かっていくような仕上がりにはなってる。
でも本を普段読まない人が読んだら「は?電波?」と思うほど内容はぶっ飛んでいる。
スピリチュアル本や宗教本、霊界本をかじってる人でもあまりにも電波すぎて「は?」と思う部分は多々あると思うし、私も苫米地英人さんなどの脳科学、潜在意識本はいろいろ読んできたし、斉藤一人さんや心屋仁之助さんの本、オポノポノの本など、潜在意識の向こう側系の本もかなり読んできたが、それでもこの本は「え、ちょっと言ってる事やばくないか?カルト寸前だぞ(汗)」という内容で、読んでて怖くなった。
この本、オススメになってるから、誰かにプレゼントしようなんていう気軽な気持ちで絶対に送ってはいけない本だ。
「なんでこんなやばい本送ってきたんだ?頭大丈夫か?変な宗教でも入ったのか?」と思われる事間違いなしの異常な内容だ。
だから、気軽な気持ちでこの本は読まない方がいいと思う。もうまんまマトリックスのミスターアンダーソン(ネオ)が赤いピルを飲んで、マトリックスの外の世界に出た時、真実が信じられなくて、ゲロ吐いて気絶した時みたいな気分になる。
そのくらいのショックを受ける本なので、読んで後悔した人は多いのではないか?
あなたがもし、この本を読もうか迷ってるなら、読まない事をオススメするし、読むならもう経済的に大成功していて、もう宗教でも入って悟り開く位しかやる事ないわって位のレベルの人ならオススメの本だと思う。(文/道長 灯)