遠慮すればするほど失い貧乏になる

私が子供の頃、友達の家に遊びに行った時の話です。
近所の仲間でその友達の家に集まり、一緒に部屋で遊んでいました。

すると、その家のお母さんがやってきて、
「みんなジュース何飲む?コーラ、オレンジジュースどっちがいい?」と聞いてきました。

みんながそれぞれの欲しいものを伝える中、私だけ「いえ、結構です」と言って断りました。そのお母さんはとても心配そうな顔をして「え、いや、コーラとオレンジジュース、どっちがいいかしら?水がいいのかな?」とまた聞いてきたのですが、私は必死の形相で「いや、いらないです!」と即答しました。

とても不信そうな顔でそのお母さんは去っていきました。

私はその時、実際は心の中ではジュースが欲しかったのですが、私には反射的に断るクセが付いていました。

というのも、親に「人様に迷惑かけてはいけない。気を使わせてはいけない」とこっぴどく言われてきたからです。実際になにかお菓子などを友達の家でもらってきて、持って返ってくるとまるで悪い事をしたかのような目で親に見られる事が多々ありました。私は盗んだわけでもなく、相手からの善意でもらったのにも関わらずです。

親の中ではそれが「うちの子が迷惑かけた。お世話になった。この恩を相手の家にどうお返しすべきか。。なんて面倒くさい事をしてくれたんだ」みたいな気持ちに勝手になっていたのだと思います。

なので、私はジュースをもらってはいけないと勝手に思っていました。

でも、その友達の家のお母さんは、子供達に喜んでほしくてジュースを提供しようと思ったわけです。そのささやかな気持ちを断られたお母さんはとてもショックそうな顔をしていました。

そして、月日が経ち、私は今度、そのお母さんが私から受けた仕打ちを逆の立場で受ける事になります。

私が20代前半の時でした。知人の家に久しぶりに呼ばれたので、ささやかながらパン屋で小さな菓子を複数買って、それを知人の家に持っていきました。

これみんなで食べようと、そのパン屋の菓子を出したのですが、
どういうわけか、そこのお母さんに「え、いいよいいよ、そんな悪いわよ。それ自分でみんな持って返って食べなよ」と言われて、なぜか受け取ってもらえませんでした。

まあ、綺麗な菓子箱に入ってたわけでもないので、なんだか汚らしく見えてしまったのかもしれませんし、貧乏学生してた時代だったので、そんな子に無理させちゃいかん。ホントはそんなお金ないんでしょ、それ自分で食べて、お腹満たしなさいなみたいな気持ちに感じたのかもしれません。

でもいずれにしても私としてはショックでした。せっかく買ってきたのに、受け取ってもらえなかった事がショックでした。こちらの善意を拒否されたような気分になりましたし、貧乏人と思われたなら、それはそれですごくショックです。

贈り物は送る側が気持ちいい

贈り物やプレゼントを送ったり、おみやげを持っていったり、お小遣いをあげたり、なにかもてなしたり、おごってあげたり、

こういう行為って、それをする側が一番気持ちいいんですよね。
これは心屋仁之助さんの一生お金に困らない生き方という私の大好きな本にも書いてある事なのですが、あげる側の方が気持ちいいんだから、堂々と受け取るのが、相手からも一番嬉しいわけです。

といっても、もらえるのが当たり前みたいな態度されたらムカつきますよ(笑)、私はおごってもらって当たり前みたいな人いますよね、そういうのは論外ですけど。

でも相手から好意的に「あ、今日は私が出すから」とか、「これ良かったらどうぞ」と何かを持ってきてもらった時は「いやいや、そんな申し訳ないですから、いいですよ」とか言って拒否しちゃダメです。

相手のほどこしを拒否する=相手を拒否するって事ですから。相手はとても悲しくなります。

そうじゃなくて「え、いいんですか?うわー、ありがとうございます!すごく嬉しいです!」とあまり親しくない間柄ほど、そういう反応をして堂々と受け取った方が、相手から好かれます。

相手は「自分が受け入れてもらえた!」ととてもうれしい気持ちになるわけです。

例えば、あなたがいつも先輩におごってもらってるとしましょう。
最近自分も給料が上がって、もう先輩におごってもらわなくても十分な経済状況になり、今までの恩返しを先輩にしたいと思ってるとします。

で「先輩今日は僕が出しますから!」と言ったら、「いやいや、無理すんなよ。」とか言って拒否されたとしますよね。

それってすごく辛いと思うんですよ。また恩返し出来なかった。しかもまだひよっこだと思われてるんだな。。と感じてしまうと思うんです。

ここで先輩が「おお、まじで。お前も出世したね~」とか言って、快く奢らせてくれたら、後輩だって「先輩に少し恩返しできた!しかも認められた!」と自信が付くわけです。

受け取り上手になって、引き寄せ上手になれば、欲しい物がどんどん手に入る。

あなたはたまに「これ欲しいけど、高いんだよね~。誰かプレゼントしてくれないかな~」とか妄想したりしませんか。

で、引き寄せの法則なんかを学んだりするわけです。引き寄せの法則本には、ベンツが欲しくて何度も試乗に行って、よーく眺めて、自分のものにこれがなるんだとイメージしてたら、実際に伯父が欲しかったベンツをたまたま持ってて、買い替えの時に譲ってくれたみたいなエピソードが沢山出てきますが、

あなたが実際に知人からベンツをあげるよと言われたら、それ受け取れますか?真面目な人ほど「え、本当にいいの?いや、これをタダでは受け取れないでしょ。マズイでしょ。どうやって恩を返せばいいの。。」とか考えちゃって、最終的に「いえ、私はいいです。他の人にあげてください」とか言って、拒否しちゃうと思うんですよ。

誰かくれたらいいのになって思って、引き寄せの法則まで学んで、本当に引き寄せても、結局拒否しちゃうっていう。意味無いじゃん!っていう。

受け取れない人は全ての人が等しく貧しいと思い込んでる

相手からのせっかくの申し出を断る人というのは、勝手に「私がそれを受け取ったら相手の経済状況が悪化するんじゃないか。。」と考えてます。真面目で貧乏な生活をしてきた人ほどそう考えてます。

その妄想は「私がこの人からプレゼントを受け取ったら、この人はこのプレゼント代で生活が苦しくなって、最終的にすごい辛い人生になって、あの時私にプレゼントをあげたから貧乏になったんだと私の事を恨んでくるだろう。。」という無茶苦茶な被害妄想をします(笑)。

そんな事はありません。心屋仁之助さんの本の中でも言われてますが、お金っていうのは使えば勝手に入ってくるものです。

実際に自分の過去を思い浮かべてみて、誰かにこれをプレゼントしたから、生活が苦しくなったって事あったでしょうか?

私は無いです。一時的に「急な出費になっちゃったなぁ」という出来事があっても、自然とそれをカバーするような収入が入ってきて、あっという間にそんな出費があった事忘れて普通の生活に戻ってます。

なにより相手からのプレゼントに対して「こんなにもらっちゃって申し訳ない。きっと相手は無理をしてるわ。気を使わせて迷惑かけちゃったわ」なんて思ってるって事は、それは相手を貧乏人だと決めつけて見下してる証拠です。

あんたみたいな貧乏人がこんな高価なものを他人の私にプレゼントできるわけがない!
(なんかのタイトルみたいですがw)

こういうふうにあなたが相手を見下してる証拠です。それって相手にとってはとても傷付く事ですし、失礼な事です。だから相手からのほどこしは全力で「ありがとうございます!」と受け取るべきなのです。

こっちから「クレクレ」言ってるような人は論外ですよ。そういう人は相手にされなくなりますが、こっちが何も言ってないのに向こうの善意で「あげる」と言ってくれてるなら、堂々とありがたく受け取るべきです。

ありがたく喜んで受け取る事こそが相手に取って一番嬉しい行為だという事を忘れないでください。あげた本人はそれによって「自分は認めてもらえた」という自信につながり、そして自信に繋がるから、収入も増えるわけです。(自信がある人ほど収入が増える法則=存在給)

「受け取る」事は双方にとってメリットがあり、受け取り上手になれば、引き寄せ上手になり、欲しいものが自然とどこからともなく手に入るようになります。

生真面目な人ほど、他人に迷惑をかけまいと、逆にお互い損する行為をしてる事が多いので、今回の事が思い当たる場合は、ぜひ直していってその貧乏性から抜けだしてください。(文/道長 灯)

この本、すごくオススメです!
存在給や、受け取り上手になる方法など、いろいろ学べます。