電話恐怖症を克服した話

私は昔、電話恐怖症でした。電話をまず自分からかける事がすごく苦手でしたし、取るのもいやでした。もちろん電話で会話もすごく緊張します。

そんな私が電話恐怖症を克服した経緯を書いてきます。これを読んで頂く事で、対人恐怖や臆病などの改善にも効果があると思います。

なんで電話がそんなに怖いのか?

電話の何が嫌だったのかというと、まず、相手の顔が見えないので、何者と話してるのかが分からないという感覚が一番怖い感覚でした。

例えば、就職活動やバイト探しをしているとしたら、まずは求人広告などを見て、そこに書かれた電話番号に電話して、詳細を聞いたり、面接の申込をしますよね?

私の場合、求人広告を見て「ここで働いてみたいな」と思い、電話をかけようとすると、電話を握ったままボタンを押せない状態になってました。

なぜかというと、いろいろ想像してしまうのです。
「もし、怖い人が出て、怒ってきたらどうしよう。。」「今、向こうの会社が忙しい時間帯だったら迷惑かもな。。こんな時間にかけてくんなって怒られるかな。。」「こちらが話してる時に急に喉がおかしくなってガラガラ声になったらどうしよう。。失礼だって怒り出すかな。。」「えーっと。。あ、あのーー。。」って緊張してどもったらどうしよう。。

などなど、かけてはいけないみたいな理由がポンポン頭に浮かんでくるのです。そして何より電話の相手が知らない人なので、そそうがあってはマズイと思い、緊張してしまうのです。

そして、電話を握り続けたまま、何時間もかける事が出来ず、「あ~なんかいろいろ考えてたらお腹痛くなってきた。。」となり、トイレに駆け込み下痢(汗)。そして戻ってきて、深呼吸して今度こそかけようと思うも、やっぱりかけられず「明日にしよう。。」となるの繰り返しでした。

これは別に面接などに限らず、どこにかけるのも本当に苦痛でした。例えば、美容室も電話予約が一般的ですが、私はそれも出来ないので、予約不要の所に行ったり、直接行って予約したりしてました。

とにかく電話だと「うまく伝わらないんじゃないか」とか「怖い口調の人が出たらどうしよう。。」とか、そういう事を考えてしまってかけられなかったのです。

電話を取るのも同じで、知らない番号から電話がかかってくると、電話を取れませんでした。「なんか脅されたりしたら。。」みたいな意味不明な妄想をいつもしてしまっていたのです。

そもそも自分の中に「電話は話し始めたら簡単には切れない」みたいな変な思い込みもあったので、「変なセールスの電話がかかってきて、押し売りされたり、質問攻めにされて、答えたくない事まで答えなきゃいけなくなったらどうしよう。。どう言い分けすれば。。」のように不安になりました。

完璧主義だったから、こうなった。

そもそも、なんでこんな疑心暗鬼な事になってたかというと、当時は異常に完璧主義だったというのがあるでしょう。

私は子供の頃、親に小さな事をいちいち怒鳴られ、怒られて育ってきました。それが「ちょっとでもミスしたら、間違った選択をしたら怒られる。責められる。怖い!」となったのだと思います。

そのせいで、「ミスは許されない」という感覚があり、電話では実際に名前を聞き間違えたりする事も多かったので、ミスが起きやすい電話というものがとても怖く感じていました。

従順に従うしか知らなかった。

また、親に徹底的に逆らえないように洗脳されてきたので、電話の相手にも従わなくてはならないと勝手に思ってました。

例えば、私はタイで象に乗った事があります。その象は時折、象使いのおっさんの言う事を聞かなかったりします。象だって疲れたら休んだり、お腹空いたら食べたりしたいわけです。

「パオーン!」と吠えてヤダヤダ!と命令を聞かない事がありますが、象使いが鞭をかざして叫ぶと次第に反抗をやめて、命令をのみます。

でもよく考えてください。本来象にはライオンを蹴散らすほどのパワーがあります。象使いが鞭を持ってようが、そんなのは本気になれば一撃で殺せます。でもやらないんです。なんでかというと、勝てないと思い込んでるからです。そう洗脳されてるからやらないんです。

私も同じように、「他人には迷惑をかけてはならない。」「粗相があってはいけない」「嘘をついてはいけない」「目上の人には従わなくてはならない」「質問されたら正確に答えなくてはならない」のように、親から徹底的に植え付けられてきましたから、電話で話す見知らぬ相手に対しても自分は質問されたら答えたくない事でも正直に答えなくてはならないと思い込んでいましたし、ちょっとでも粗相があれば、電話の相手が怒り出し、相手を怒らせたら人生が終わるかのように考えていました。

でも実際はそんな事はないわけです。全て自分の妄想だった事にある日気付いたのです。

自分を優先しよう

例えば、昔、とある専門学校に資料請求した後、その専門学校からアンケートのような電話が度々かかってきました。私はなにがなにやら分からないけど、その人の質問に正直に1時間近く延々と答え続けていました。やだなぁ。答えたくないなぁ。と思ってもどう断ればいいのか分からないし、電話もまだ相手が話してるので切るに切れません。

でも、今の私はそういった電話がかかってきても答えたくない質問には「は?なんでそんな事あなたに答えなきゃいけないの?」とか「答えたくありません。答える義務もありません」と言って強気で突っぱねます。

切りたくなれば、相手が話してようとも、遮って「あの、これから出かけるんでもう切りますね」と言って切りますし、またかかってきたら「もうかけてこないでくれます?」と堂々と断ります。

知らない所から謎の電話がかかってくれば「どこでこの番号手に入れた?どうやってこの番号手に入れた?」とこちらがまず質問攻めにするので、向こうから切ってしまいます。

今思えば、昔の自分はなぜそれが出来なかったのかなと不思議に思う位ですが、それは自分があまりにも臆病で気弱な性格だったからなんです。

あなたは相手に従う必要はない

まず、電話がかかってきた場合は、その電話を最優先にする必要はありません。忙しいなら「忙しいので後でかけ直してくれますか?」と言えばいいですし、かけてきて欲しくないなら「2度とかけてこないでください」と言えばいいのです。答えたくない質問は「答える義務はありません」と言えばいいですし、押し売りされても「要りません」と言ってガシャンと切ればいいのです。

それをやってはいけないと思い込んでるのはあなた自信なんです。親に「人様に迷惑をかけてはいけない」と「自分は迷惑な存在」と洗脳されてきたから、それが出来ないのです。さっきの象が象使いを殺せないのと一緒です。

でもあなたにかかってくる電話をどうするかは、あなたに決める権利があります。誰にもそれをとやかく言う筋合いはありません。別に相手の話を聞かずに切っても、罪に問われるわけでも、刑務所に叩き込まれるわけでもないのです。だから堂々と言いたい事を言えば怖くないのです。

時折口調のキツイ人や、怖そうな低い声で話してくる人が出る場合もあるでしょう。でも、だからなんでしょう。その相手はあなたの目の前で金属バット片手に凄んでるわけではないのです。別になんの危害も加えられません。だから恐れる必要はないのです。別に電話を切られたり、断られたからと言ってあなたの家に復讐しに来ません。相手もそんな暇じゃないですし、そんな事したら刑務所送りになりますから、そんな事してきません。

電話も堂々とかけて良い

例えば、美容室の予約の電話などは、向こうが忙しかろうが、自分はお客様ですから、相手が怒ってくるわけもありませんし、むしろお客さんからの予約が入って嬉しいわけです。

バイトや仕事の面接の申込だって、人材を探してるゆえにわざわざお金払って広告出してるわけで、向こうは電話してきて欲しいわけです。電話してきて欲しくないなら、わざわざ広告に電話番号なんて載せないわけです。

私は喉が弱いので、電話中にガラガラ声に急になったり、咳払いする事があり、それが心配で電話が出来ないというのもありましたが、声が裏返ったり、枯れたりしてうまく伝わらなかったら、一回電話口を塞いで、相手に大きな音が聞こえないように咳払いして、喉をクリアにして、それで「すいません」と謝ってから、もう一度言い直せば良いわけです。

恐怖症じゃない人は気にしないから怖くない

そもそも恐怖症ではない人は、そんな小さな事を気にしてないのです。

咳払いしたり、声が裏返ったり、どもったりしたら失礼なんて、そもそも思ってないから堂々と話せるのです。どもってしまっても気にせずすぐ言い直してるのです。

聞き逃した事があっても「聞き返せばいいか」と思ってるから怖くないのです。一発で確実に聞き取らないと殺される、聞き返しては失礼なんて思ってないのです。

変にそれを悪い事と自分が勝手に決めてるから、怖くなるのです。

急に喉がおかしくなってしまったなら「喉が弱いもんで」とか「ちょっと風邪気味でして」と理由を言えば良いのです。

別に相手もそれを理由に失礼だなんて思いません。失礼だなと思うのは、そういう「すいません。失礼しました。ありがとうございます。」とかそういう礼儀が出来てないから、失礼に感じるわけです。声が裏返る、どもるなどが不愉快に感じるのではなく、礼儀がない事に一番頭に来るわけです。

何か聞き逃しても「すいません、よく聞こえなかったので、もう一度言って頂けますか?」と聞けば良いですし、「耳が悪いもんで、すいません」と一言言っておけば、相手も聞き返されても嫌な気持ちにはならないわけです。

相手に迷惑がかかるのでは。。と思ってるのも同じです。そりゃ例えば予約の電話をしておきながら、ドタキャンしたりしたら迷惑ですよ。でも予約の電話を入れたり、問い合わせの電話をする事は全然迷惑ではないのです。別に冷やかしの電話をしてるわけではないのですから。

別に相手が本当に忙しかったら「後でかけ直して頂けますか?」と言ってくるでしょう。そこで「ああ迷惑をかけてしまった」と思って、罪悪感を感じるのであれば完璧主義な証拠です。別に相手はあなたから問い合わせの電話が忙しい時間帯にあった事を恨んだりしません。電話があった事すら3分後には忘れてます。あなたは後でまたかけ直せばいいだけです。何もそこで思い悩んだり、恐怖心を感じる必要などないのです。

例えば、あなたは道を歩いてて、マナーが悪い人がいて「なんだアイツ!」と怒りを感じる事があると思います。でも3分経てば、もうそんな事忘れてますよね?そのマナーが悪い人の事を何日も思い返して、絶対にあいつ殺すなんて思う事、早々無いと思います。

別にあなたは悪い事をしてるわけではないのですから、堂々と電話すれば良いのです。

自己肯定感を高める事が苦手意識を無くす最大のカギ

電話恐怖症に限らず、対人恐怖症や、臆病など、何かが怖いという人は、自分に自信がないと思います。なぜかというと、何者かに「お前はダメな奴だ、弱い存在だ」と植え付けられてしまったからです。

植えつけたのは、あなたの親かもしれませんし、塾や学校の先生だったかもしれませんし、会社の上司かもしれません。

でも誰に植え付けられたかはどうでもいいです。問題なのは「自分は相手より弱い存在なんだ、弱い立場なんだ」と今でも思い込んでるのが問題なのです。先ほどの象の話と一緒です。

だから、そう思い込むのを今から辞めればいいんです。だって法律で「平等な権利を有する」事を認められてるんですから。あなたは誰かに無理に従う必要はないんです。

「自分は周りと対等な立場と権利を有してるし、周りと同じ人間だし、他人を恐れる必要はないんだ」という風に自己肯定感を高めていく事が大切です。

自己肯定感とは、自分で自分を認めてあげる事です。自己肯定感を高める事で、ミスが怖くなくなります。

例えば、ミスで怖いのは、他人に治らないほどの大怪我をさせたり、他人を死に至らしめてしまう事です。そういうミスが起こらないように日々努める事は大事だと思います。

例えば、火の後始末を絶対に忘れないように確認したり、車で踏み間違えてしまう人は踏み間違え防止機構が付いた車を使ったりとか、そういう事は大事だと思います。

でも、電話で聞き間違えたり、どもったりしても、死者もけが人も出ません(笑)。なのにそんなに思い悩む必要はないのです。

そういう死者もけが人も出ないような、3分後には忘れるようなミスに何日も眠れないほど悩むような人は、完璧主義で自己肯定感が低いのです。

これを治すには、潜在意識化に「ミスしてもいいんだ。」という事を刷り込んでいく必要があります。

子供の頃にミスする度に怒られてきた人は「ミスしてはいけない」と思い込んでます。でも人間ミスするから成長するのです。失敗するから学ぶのです。

タイガー・ウッズだってミスショットする事はあるのです。100%精密な人なんていないのです。マイケル・ジョーダンの有名な言葉で「今まで何度も何度もミスしてきた。9千ショットミスったし、300ゲーム負けた。26回も勝敗を分けるシュートを失敗した。でもだから今成功してるんだ!」というのがあります。どんな人でも人間ミスするものですし、ミスするのは悪い事ではないのです。

潜在意識化に自己肯定感を植え付ける事で、過去誰かに植え付けられた「完璧主義」や「自分を下に見て怯える性格」を治す事が出来ます。

具体的にはアファーメーションをする事で治ります。なんらかの恐怖症を持ってる人は皆、被害妄想が激しいです。

例えば今回の電話恐怖症もそうですが、電話しただけで怒られたり、家に押しかけてきて殺されるとまで勝手にストーリーを作って被害妄想してしまうのです。

そういうのも、自己肯定感を高めるアファーメーションを続ける事でどんどん改善されていきます。

とくにこの教材などは自己肯定感を高めて恐怖心を無くしていくのにすごくオススメです。

私も過去いろいろなアファーメーションや恐怖心克服法などを試してきましたが、この方法が一番効果がありました。しかも効果を実感するスピードもずば抜けて早かったです。1ヶ月も経たないうちに自分の心に大きな変化が出始めて、変な妄想ストーリーを描いて怖くなる事もほとんどなくなりました。

というわけで、恐怖の原因はありもしない事を恐れたり、完璧主義になって失敗を必要以上に恐れてる事にあります。

それを無くしていく事で、恐怖心は克服できます。

(文/道長 灯)